どこ吹く風

自分には全く関係・関心がないというように、知らん顔をすること。「何処吹く風と聞き流す」

2019-01-01から1年間の記事一覧

才と器

私に乗馬の経験はない。あるとすれば子供の頃にポニーに載ったことがあるくらいだ。ぽくぽくとよく歩いたのを覚えている。その時のポニーはもちろん走りはしなかった。けれども、いかにポニーとはいえ走ったら私よりはるかに早かったろう。私は何もポニーと…

御守り

最近迷った事がある。「資格試験を受けるべきか否か」だ。今の職場で仕事をしていく上で必要不可欠ではないが、あるに越したことはない「資格」だ。ただその為には、試験当日、会場までの往復3万円の交通費が必要だった。非正規の私にとっては馬鹿にならない…

宇宙もしくはたわしコロッケ

私はかねてから宇宙に行ってみたいと思っていたのだが、その理由の一端は次のフレーズにある。 「宇宙は我々を受容しなければ、拒絶もしない。ただただ無視するだけである。」 しびれるフレーズだが何のことはない。要は、宇宙は我々を「ほっといてくれる」…

夢見させるようなこと

もしこの文章をお読みの方に当時の事をご存知の方がいらっしゃったらよく解ると思うのだが、私が転職活動を初めたところ学校は(少なくとも私が授業を担当していたクラスは)大いに荒れた。荒れまくった。当時、私は在職のままで他校の社会科教員募集に応募…

母さんの予言

「あなたが大きくなったとき、男の人に、わたしはあのことを知ってるわよ、と言っておやりなさい。みんなかならずぎくりとすることでしょう。これが母さんの予言よ。」 (『銀河英雄伝説』田中芳樹先生より) 噂や流言飛語という類のものが一定の効果を持つ…

ありがとう

先日、NHKのsongsという音楽番組で井上陽水さんを2週連続で特集していた。それを見ていてすっかり井上陽水さんのファンになってしまった。斜に構えていて、コメントが人を食っていて、それでいて自嘲的で、本心は半ば韜晦されていて、多分相当にシャイな…

人生最大の・・・

以前にも書いたが私は昔、神奈川の私立女子校に世界史の教員として勤めていた。その学校では今はどうだか知らないが、私のいた当時は男性教員の7から8割りは生徒と結婚していた。こう聞くと教師の側がそう誘導したかのように思われるかもしれないが、多くの…

公務で・・・

「公務で人殺しをやるところまで、まだ、おれたちは墜ちちゃいませんよ。」 (『銀河英雄伝説外伝3』田中芳樹より) 十代の頃、むさぼるように読んだ『銀河英雄伝説』の外伝3の一節だ。他にも 「なるほど、言論の自由は思想の自由よりテリトリーが狭いという…

シンクロ

4月19日の「川崎フロンターレ」対「湘南ベルマーレ」戦で、川崎の選手が蹴ったダイレクトパスを別の選手が胸で落として、3人目の選手がこれまたダイレクトでシュート、ループ気味にゴールへ入るという場面があった。「感じているな」と思わずうなってしまっ…

ツボ

「笑いのツボが違う」という表現がある。要するに笑うべきポイントが違うという事なのだが、どういうことかよく解ったので以下に記したい。 私と親父では笑いのツボが全く違う。その親父と夕食時にサッカーのプリンスリーグについて話をした。プリンスリーグ…

自己目的化もしくは・・・

その昔クイズが異様に流行った時代があった。ご存知の方もいるかもしれないが『アメリカ横断ウルトラクイズ』などはその最たる例だ。私の在学していた高校でも「クイズ研究会」なるものがあり、割と、というか凄く学力の高い連中が入会していた。私はという…

戯言(たわごと)

「要(※夫の名前)にとって女というものは神であるか玩具であるかのいずれかであって、妻との折り合いがうまく行かないのは、彼から見ると、妻がそれらのいずれにも属していないからであった。」 と小説『蓼食う虫』の中で谷崎潤一郎が述べている。私はあまり…

呼び名

その昔私がまだ20代の始めの頃、交際?していた女性が、男女としてある一定の段階を経るごとに、「ねえ、何て呼んだらいい?」と聞いてきた。今のわたしなら「俺の事は陛下って呼んで」とか「俺の事は大佐って呼んで、そしたら俺が『どうしたスネーク』って…

主導権

主導権を握るという表現があるが、事、人間関係においてはそんなに単純なものではない。私事で恐縮だが、教員になって二度目の担任を任されたのが、当初ひどく荒れたクラスだった。(誰も持ちたがらないから私のところに回ってきたわけだが)担任として、最…

男は背中で・・・

あと少しで平成も終わりを迎える今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 昭和を生きた方々にはなじみ深いフレーズに「男は背中で語るもの」があります。さて、昭和生まれの私としては無い知恵しぼって背中で語りたいフレーズを考えてみました。 ○がん…

託す

育ちがいいという表現がある。何のことやらさっぱりわからなかったが、今になって(42歳になって)ようやくその意味が解った。 今日、職場の食堂で私が一人で窓に向かって食べていると、ある同僚が向かいに腰かけてくれた。「最近どうですか?」と聞いてくる…

初!書籍化

昨日帰宅したら、小包が届いていた。開けてみたらずいぶん前に応募した幻冬舎ルネサンス新社の書籍『拝啓、あの日のわたしへ』に私の原稿の掲載が決まった旨の通知と、実際に文章の掲載された本一冊が入っていた。58人の作者による短編集のうちの一人にすぎ…

どうよ?

SNSが普及するはるか以前から「いーね」を多用してきた人物がいる。クレイジーケンバンドの横山剣さんだ。いわば「いいね」の先駆者だ。ただし横山さんの場合は、「いーね」に先行して「どうよ?」という前振りがある。横山さんがバンドのメンバーに「最…

ペルソナ

先日、夢の中で職場の方々(主に女性)が私の噂をしていた。 「○○さんは本なんか出してどうなりたいんだろね?」 それを聴いたMさんと言う方が 「違うの、あの人は長谷川 徹なの。○○ ○(本名)は仮の名前なの!」とおっしゃっていた。なんだか、揶揄されて…

「不可能」なんてありえない

「不可能」なんてありえない 「不可能」とは、自らの力で世界を切り拓くことを放棄した、臆病者の言葉だ。「不可能」とは、現状に甘んじるための言い訳にすぎない。「不可能」とは、事実ですらなく、単なる先入観だ。「不可能」とは、誰かに決めつけられるこ…

相対化

個人にアイデンティティーが必要なように、共同体にもアイデンティティーが不可欠だ。それが神話である。上橋菜穂子先生の小説で、自分の民族の創生神話が絶対だと信じて疑わなかった主人公が他の民族の長に次のように諭される場面がある。 「私達の神話はあ…

蜘蛛の糸 ~新解釈~

『お釈迦様はある日の朝、極楽を散歩中に蓮池を通して下の地獄を覗き見ました。罪人どもが苦しんでいる中にカンダタ(犍陀多)という男を見つけました。カンダタは殺人や放火もした大泥棒でしたが、過去に一度だけ善行を成したことがありました。それは林で…

デトロイト・メタル・シティー

小学5年の甥っ子が遊びに来て私の部屋の押し入れを漁る。そこで彼が見つけたのがマンガ『デトロイトメタルシティー①~⑩巻』(若杉公徳著)の登場人物カミュのフィギュア。(未開封)「何これ?」という甥っ子に対し私は「それはほんとに面白いキャラクターの…

I need to be myself

書籍化に当たってこれまで書いてきた文章を読み返してみた。どれも不惑(40)を超えた人間の書いた文章としては幼いのではないか、良くも悪くも俺は俺自身以外の何物にもなれないな。と思った次第だ。で、思う。それでいいじゃないかと。一番怖いのは自分自…

ありがとう、そして・・・

「ありがとう、そして、ありがとう!」 このフレーズ何か可笑しくありませんか?私はこのフレーズを初めて聞いたとき面白くなってくすくすと笑ってしまいました。「ありがとう、心から、ありがとう。」とか、「ありがとう、本当に、ありがとう。」なら話は解…

頭カラッポの方が

暗記が苦手だ。 現在ある資格の取得に向けて勉強中だが、ひと月勉強から離れていると頭の中からすっかりすっ飛んでいる。暗記してもすぐ忘れてしまうのだ。自分でもよく解っているので暗記科目は試験の直前1月前くらいから集中して勉強をして、頭に詰め込ん…

和解

「殺したい奴が3人いる」というのが時代小説の名手の池波正太郎氏の口癖だったそうだ。おそらく池波氏は小説の中でそんな「奴」を見事に切りさばいていたのだろう。江戸時代なり明治時代なりに設定を変えれば、官吏の汚職や組織の腐敗、社会の矛盾を描き尽く…

味方

誰の(何の)味方をするかでその人の人格の一端が解る。 ① 強いものの味方をする人。② 弱いものの味方をする人。③ 多勢の味方をする人。④ 無勢の味方をする人。⑤ 特定の個人の味方をする人。⑥ 公平性や正義と言った抽象的な概念の味方をする人。⑦ 特に誰の味…

「さようなら 会えなくなるけど さみしくなんかないよ♪」 今朝目が覚めたら何故か頭の中でこのフレーズが流れていた。 調べてみたらミスターチルドレンの「星になれたら」という楽曲のサビの部分だった。 私はミスターチルドレンのCDを買ったこともないし…

自分First

自分First 以前の職場でお世話になった方から年賀状を頂いた。 「お元気ですか。 健康第一で、また「自分First」であられますように。 本年も佳き年となりますように。」 との事。年賀状を頂き嬉しかったのはもちろんだが、「自分First」という言葉が気にな…