どこ吹く風

自分には全く関係・関心がないというように、知らん顔をすること。「何処吹く風と聞き流す」

自由

先生、何考えてるの?

 

いやちょっとね。みんなはロシアとウクライナの戦争知っているよね?

 

もちろん

 

どっちが悪いと思う

 

そりゃロシアでしょ

 

そうだね。アメリカをはじめ多くの国々はウクライナを応援している。日本も含めてね。でもどうして?どうしてロシアが悪いの?

 

先に仕掛けたから!

 

それもある。ほかには?

 

プーチンが悪い

 

なるほど。ほかには?

 

アメリカのバイデン大統領は「自由と民主主義を守るための戦い」と言っているよ。

 

そうだね。逆に言えばロシアは言論統制をしたり、政府に反対するナワリヌイ氏を殺してしまったりしている。ではなぜ自由と民主主義を守る必要があるの?

 

それは・・・・・・?

 

自由と民主主義がなぜ尊いのか?先生はさっきからそれを考えていたんだ。

 

何故尊いの?

 

そうだな・・・。みんなはイノベーションってわかる?

 

あれでしょ。技術革新とか?それまでの仕組みを大きく変えてしまうような・・・。

 

そう、辞書的には「革新的な技術や発想によって新たな価値を生み出し、社会に大きな変化をもたらす取り組み」のことを言う。

 

それがどう関係あるの?

 

例えばみんなが今着ている服だって、食べている給食だって、昔は手作業で作っていた。今は機械で作っているよね。そのおかげで品質のいいものが、おいしいものが大量に安く買えるようになった。つまりイノベーションのたまものなんだ。

 

あっ産業革命って奴ですか?

 

そう、それに昔は王様がいて、貴族がいて、平民がいて、奴隷がいて。奴隷をお金で売買するのが当然の世の中だった。それじゃダメだってみんな平等なんだって世の中の仕組みを大きく変えたのが・・・?

 

解った市民革命だ!

 

そうなんだよね。産業革命と市民革命は人類の歴史におけるイノベーションの代表例なんだ。その最たるものはコペルニクスの地動説なんじゃないかと先生は思っているんだけど・・・。まあそれは今はいいや。とにかくこういったイノベーションが起きなかったらと思うとぞっとするね。先生なんかは今頃どこかで使えない奴隷としてこっぴどい扱いを受けていたかもしれない。イノベーションが起きなかったら歴史は堂々巡りだ。その意味で歴史ってイノベーションの積み重ねなんだ。では、そのイノベーションを起こすためには何が必要なんだろう?

 

お金?

 

他には?

 

解った!労働力だ!

 

それもあるね。ほかには?

 

そもそも、金とか人手はあっても、思いつかなきゃ始まらないだろ!頭だよ頭!

 

そうだね近づいてきた!みんな頭はあるよ。どんな頭なんだ?頭をどう使うんだ?

 

あっ解った!頭で自由に考えろってこと!つまり自由だ!

 

そう、先生が思うにイノベーションのおおもとは思想信条、良心の自由つまり内心の自由なんだ!内心の自由があって初めてイノベーションが起きる。イノベーションとは内心の自由のたまものなんだ。そして先に挙げた2つのイノベーションの成果が民主主義だ!そういう意味で自由と民主主義は尊いんだ!

 

だから言論統制思想統制をおこなうロシアって悪なんだなぁ~

 

うん、だからもしかしたら、もしかしたら建前だけかもしれないけど、それでも「自由と民主主義」をかかげるアメリカのほうが≪よりまし≫という事になる。

 

なるほど!先生そんなこと考えてたのか。深いね!今日の先生カッコイイや!

 

よせやい!いつもだろ!

 

自由サイコー!

 

おっと、自由には責任が伴うんだ。まずは自分の責務を全うしろよ!君らにっとっての責務、つまりは勉強だ。では今日の講義はここまで!頭洗えよ、歯磨けよ!ではまた!

自由自在(ツーヨウツーツァイ)