どこ吹く風

自分には全く関係・関心がないというように、知らん顔をすること。「何処吹く風と聞き流す」

ありがたい話

 今日いつもの面子で、いつものように喫茶店でだべっていると、「もう一度人生があるなら、どんな仕事をしたいか?」と言う話題になった。

 

 私は「教育関係の現場で働きたいが、少子化だから塾は先細りだしなあ・・・。」と。それとは別に『驚きと感動の種をまく。』を社是として≪勉強もテストもやらない≫教育サービスを展開する【探求学舎】と言う会社を紹介し、「こんなところで働けたらなあ!」と伝えた。ちなみにこの会社は東京の三鷹にある。

 

 10コ下の友人は、「できるなら起業したいですねえ!」という。

 

 最後に、私とタメの友人は「俺はホストクラブの№1ホスト兼オーナー。ズバリ行列ができるホストクラブ『クラブYちゃん』の№1ホストYちゃん!」

 

 「いいですねそれ!」と10コ下の友人がおだてる。すると我らがYちゃんは調子に乗って「うん、K君(10コ下の友人)は№2もしくは№3ホストかな。んで、あなた(私の事)はさしずめ皿洗いだな。」と言う。

 

 「いや、100歩譲って皿洗いはいいけど・・・。ホストクラブってのはホストに会いに女性客が来るんだろ?俺たちのどこに行列ができるほどの集客力があるんだよ?」と私が混ぜ返す。

 

 「そう、そこなんだよ!ホストクラブYちゃんの客層はズバリ高学歴で高身長!」

 

 「それって、そのまんまYさんの趣味じゃないですか(笑)。」とK君が突っ込む。

 

 そう、高学歴で高身長はYの理想の女性像。当のYは悪びれもせずに

「日々の生活では満たされない彼女たちの知的好奇心を満たしてやるのが、俺たちの仕事!」と言う。

 

 「例えば?」と私が聞くと、Yは

 

 両手を組んで顎をのせて「『ふむふむ、そんなことがあったの。大変だったね。あのね、ソクラテスと言う人はこういっているよ。』と言う具合に、哲学だったらおれ、歴史だったら長谷川、そしてロシア文学だったらK君と言う風に担当を決めて、それぞれ接客するんだよ!それがクラブYちゃん。の運営方針。」とのたまう。

 

 「ちょっと待ってくださいよ!Yさんと長谷川さんはともかく、私、ロシア文学なんて知らないし(笑)。」とK君があわてる。続けてK君は

 

 「そもそも、哲学とか歴史とかロシア文学とか、そこまで需要あります?スナックのママさんで十分話足りるんじゃないですか?」と言う。私は

 

 「確かに。そう考えるとスナックのママさんて凄いよな!ママさんの魅力1つで客が向こうからやってくるものなぁ。」とそこで私は1つ気づいた。

 

 「つまり、こういう事じゃね?お客が求めているのは【具体的な事例】じゃなくて【抽象的な本質】なんだよ。具体的な事例の話になったら、そりゃ専門家にはかなわないよ。例えば相手がオタクなら、「『罪と罰』と言えば、新潮文庫版の上巻の127ページの描写!あれゾクゾクしますよね!」で話通じるかもしんない。でもさ、さっき言ったように、お客が求めるのは其処じゃなくて、それこそ美輪明宏みたいなママさんに「あなた、いくら自分が優秀だからって人殺していいの?あなたにも良心ってあるでしょ?」って言ってもらう事なんだよ。ああ、そう考えると客足の絶えないスナックのママさんってのは【具体的な事例】からその本質を抽出して【普遍的な法則】を見つけ出す。そういう事ができる人なんだろうな!そして一度、【普遍的な法則性】を見つけ出せばあとはどんな話にも応用が利く。そのためには人生の酸いも甘いも知り尽くした経験と、一定レベルの教養が必要なんだろなぁ。」

 

それを聞いていたYが

 

 「そう、さすが長谷川!俺の言いたかったこと全部言ってくれた。」と茶化す。K君が

 

 「スナックYちゃんてのもありじゃないですか?」と話をまとめた。

 

 帰りの車中でK君が「いや~今日も何のためにもならない話でしたね(笑)」と言う。でも、その何のためにもならない話が私にはありがたい。2人とも私が最近部屋にこもりきりで簿記の試験に向けて勉強をしている、が、いまいち集中できていない事をよく承知している。どうでもいい話と言うのは、まさにそのどうでもいい点にこそ価値があるのだ。ありがたい。

 

 おかげさまで、今日も有意義なひと時を過ごせた。持つべきものは良き友だ!

 

 Yちゃん、奥さんと2人のお嬢さん大事にしろよ!

 K君、マッチング頑張れよ!

 

 ではまた!

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『驚きと感動の種をまく』