どこ吹く風

自分には全く関係・関心がないというように、知らん顔をすること。「何処吹く風と聞き流す」

恋愛相談

 先日10コ下の友人から恋愛相談を受けた。

私が

「なんで俺なんだよ?俺はどう見てもそういうの不得手だし、それこそもう結婚している奴とかいくらでもいるだろうに。」

と聞くと、彼は

「いや~長谷川さんは1を聞いて10を知る人だし・・・。」

と、そう言われてさすがに悪い気はしなかったので相談に乗ることにした。

 

 なんでも彼は出会い系サイトで知り合った女性と何度か会って、電話で3時間も話す中になったとか。3時間も話すくらいだろうからと、その勢いできちんと付き合いませんか?的な事を相手に伝えたらしいのだが、相手の女性からは「友達としてしか見れない。」との答えが返って来たそうだ。

 

「長谷川さん、友達以上に見られるためにはどうすればいいんすかね?」

 

「そりゃ、やっぱ“敬意”じゃね?相手に対する敬意が無けりゃ始まらんだろ?俺中学の時イジメられててさ、俺がイジメられてるときは俺の事、邪険に扱っといて、イジメが終わった途端ごめんねって感じですり寄ってきた子がいたんだよ。何とか君(イジメた側)てサイテーだよねとか言ってさ。」

 

「それで・・・?」

 

「俺はさり気なくスルーしといたよ。その子がなんとなくこちらに好意を持ってて、今までごめんねって感じで自分を恥じているのも解っていたけどさ。その子はいい人だったと思うよ。誰だって自分がイジメの標的に関わるのなんてやだもの。その子を責めることはできないよ。でも、その子に対して敬意を抱いたかって言うとそりゃまた別の話でさ。結局その子とは、そのまま何事もなく終わったけど。俺としてはその子がそれ以来変わってくれたらと思いたいね。もう一度出会ったら変わっているかもしれない。強くなっているかもしれない・・・。」

 

「ふ~む。なるほど・・・。敬意か・・・。俺に敬意を払われるべき美点なんてありますかね?」

 

「そりゃ自分で見つけんのさ!がんばれ若人!だからって付け焼刃はダメだよ。正直に行くのが1番さ、急がば回れってな!」

 

 そんな風に返しておいたが、K君、俺は君に他の何にも勝る美点があるのを知っている。

 

 それまでは“同じ会社の人”に過ぎなかったK君が、ある日の食堂で1人ポツンと飯を食っている私の向かいに座ってくれた。

 

「どうですか?長谷川さん」なんて声をかけて。

 

決して悪い会社じゃなかった。でも障がい者枠で雇ってもらっている私は誰から見ても“半端もの”であって、その“半端もの”の近くに座るのは100害あって1利なしだった。それを誰もが解っていた。悪い会社ではなかった。どちらかと言うと仲の良い「いい会社」だった。でも、それでも人間の本質と言うのはこういう時に表れる。誰だってハレとケだったらケには近づきたくない。それをこの10こ下の若者はものともせずに向かいに座ってくれた。そこからなんだ。俺と君の友人づきあいが始まったのは。もし、そういう美点がまだ相手の方に伝わっていないようなら、何とか伝えるべきだ!もしそれが伝わっていて、それでもちっとも響かないようなら、残念ながらその女性はそういう女性だ。君が心を悩ますほどのもんじゃない。

 

 だからなK君。自分を安売りする必要なんてないのさ。これっぽっちもな!

君の器はでかい!

がんばれ若人!

相談しよう!そうしよう!