うちの親父はよく酒を飲む。もう80近いというのに結構な酒量だ。そのくせ健康診断の数値には全く異常がないのだから羨ましい。一方の私はここ数年でかすかにではあるが確実に健康診断の数値に問題が出始めた。実際、昔ほどお酒を飲めなくなってきた。この点に限っては正直、父が羨ましい。「なんであんなに毎日飲んで体にガタが来ないんだ?」といつも思う。不公平な話だ。
最近、高校の同級生がUPした写真を見て「もう、こんなに大人で美人な娘さんがいるんだ!!と驚いた。私はと言えば、結婚どころか、浮いた話の1つもない。うちで夜中にインスタントラーメンを食べる日常が続いている。不公平だ。そう、世の中って原理的に不公平なのだ。
世の中すべて公平だったなら、そこに“違い”が無くなってしまう。“違い”があるからこそ多様性が生まれるのであって、その意味で“違い”の無い社会なんてありえない。つまり、世界は原理的に不公平なのだ。とはいっても容姿、才能、器どの面でも優れた人がいる一方で、私のような冴えない中年もいるわけで、何ともいたたまれない気分ではある。
この“不公平”がもっとも際立ってしまうのが恋愛なんだろうと思う。以前読んだマンガ(『サターンリターン』鳥飼茜 小学館)に次のような会話場面がある。
「人間って厄介ですよね。」
「人と人が出会うと、心が動かされちゃうほうと動かしちゃうほうに分かれちゃう。」
「動かされたほうはいつも、後になって騒ぐんですよ『心返してって』って。動かした方は動かす気なんて全然ないのに。」
「その気はないのか知らんけど、動かされて壊されるほうの立場は苦しいだけですよ。」
「大丈夫です。壊された人間は必ず壊します。時間と場所が変わっても心がそのチャンス逃がしませんから。」
この箇所を読んで「うわ~怖いなぁ。」と思った。こと恋愛においてはどちらか一方、心動かした方が嫌でも強者になる。両者が同等つまりお互いに心動かし合うというのはまれなケースだ。そして、何と言っても、例え令和のこの現代においても、恋愛により多くを求め、かつ捧げるのは女性なのである。その意味で女性とは怖い生き物だと思う。
そして、まさか、まさかとは思うし、万が一そんなことはないと思うのだが、もしも私が綴っているこの一連の文章に“心動かされた”方が、万が一いたとするならば、彼らのこの楽曲を聞いて欲しい。
Don’t look back in anger(怒りに身を任せちゃいけない)
そして彼らはこの曲の中でこうも歌っているのです。
Please don’t put your life in the hands
of a rock in roll band
Who will throw it all away.
(ロックバンドなんかに魂を預けちゃいけないよ、奴らそんなものかなぐり捨てちまうんだから)
(oasisファンのさえない中年より)
Oasis - Don't Look Back In Anger (Official Video) - YouTube