どこ吹く風

自分には全く関係・関心がないというように、知らん顔をすること。「何処吹く風と聞き流す」

居場所

 誰だって居場所が欲しい。欲張りなことを言ってしまえば、居場所は複数あった方がよい。たくさん居場所のある人もいれば、居場所がなくて困っている人もいる。居場所とはつまり他者との関係を構築できたかという事で、逆に居場所がないというのは他者との関係を構築できなかったという事だ。そこには運も含めて様々な理由があるわけだが・・・。  

 去年、青森にいる学生時代の友人に会いに行った。学生時代散々語り合った友人だ。その友人が「ほら俺ってもう、ホームあんじゃん。」と冗談交じりに言った。私は「ホームか。学生時代の我々には出てこなかった言葉だね」と答えた。学生時代の彼は、どちらかと言うと非社交的な方だったが、社会人になって結婚し、今では小学生の男の子がいて大勢の部下を抱える身になっていた。聞けば自宅を開放して部下を呼んで食事会をしたりもするらしい。学生時代からは想像もできない事だった。彼は彼の居場所を見つけて、そして今度は誰かの居場所をつくる立場になっていたのだ。その友人と話していて気づいたのだが誰かの親になるとか誰かの上司になるというのは、つまり誰かの居場所をつくるって事なのだ。もう少し言ってしまうとマネジメントとはメンバーの居場所をつくる事に他ならない。学校の先生は単に勉強を教えるだけではなく、生徒の居場所をつくってやらねばならないし(無論発達段階に応じてその役割は違ってくるが)会社の上司だって部下の居場所をつくってやる必要がある。スポーツの監督だって選手たちの居場所をつくってなんぼだ。それが出来れば、後は自ずと上手くいくものなのだ。私も4月から新小学一年生が学童に入ってきて、その子たちに居場所ができるよう働きかけてきたつもりだ。初めは私の周りで遊んでいた子供たちだったが、そのうち皆友達になって子供同士で遊ぶようになる。そのきっかけになれたのではないかと思っている。子ども達の居場所をつくってやること。仲間はずれが出ないようにする事。それが何より大事なのだ。最低限の務めは果たせたかなと思っている。

 今は学童の話をしたが、これがもっと大きな組織なり国なりだったりした場合、その頂点に立つ者、もしくはマネジメントをする者は、下にいるもの全員の居場所が出来るように働きかけねばならないのだから大変だ。すべての社員なり、すべての国民なりがそれぞれの居場所を見つけられるように心を配る。そういう大きな優しさが上に立つものには求められるのだろう。話は飛躍するが、もしかするとジョン・レノンが『イマジン』で歌ったのは「世界中の人がそれぞれに自分の居場所を見つけられるように」というメッセージだったのかもしれない。その意味でジョン・レノンは世界中の人の上に立つ器だったのだろう。夢想家と言ってしまえばそれまでだが。

 さてジョン・レノンに比すべくもないが私もこの仕事を続けていく限り、子ども達の居場所をつくっていかねばと思う。それは誰かをスケープゴートにして他の団結を図る、そういう類いの場所であってはならない。誰もがそれぞれに愛着を持てる、そういう場所であるべきなのだ。

 

松本顧問へ

前職では大変お世話になりました。

本当にありがとうございました。

この場を借りてお礼を申し上げます。

 

Imagine there's no Heaven
It's easy if you try
No Hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today...

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one

Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will live as one

 

想像してごらん 天国なんて無いんだと
ほら、簡単でしょう?
地面の下に地獄なんて無いし
僕たちの上には ただ空があるだけ
さあ想像してごらん みんなが
ただ今を生きているって...

想像してごらん 国なんて無いんだと
そんなに難しくないでしょう?
殺す理由も死ぬ理由も無く
そして宗教も無い
さあ想像してごらん みんなが
ただ平和に生きているって...

僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな仲間になって
きっと世界はひとつになるんだ

想像してごらん 何も所有しないって
あなたなら出来ると思うよ
欲張ったり飢えることも無い
人はみんな兄弟なんだって
想像してごらん みんなが
世界を分かち合うんだって...

僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
でも僕一人じゃないはず
いつかあなたもみんな仲間になって
そして世界はきっとひとつになるんだ

 

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若かりし日のジョン。

「長谷川漣の何処吹く風」もあわせてどうぞ!その5が8月末日に公開予定です!

https://www.gentosha-book.com/creators/hasegawa-essay04/