どこ吹く風

自分には全く関係・関心がないというように、知らん顔をすること。「何処吹く風と聞き流す」

和解

「殺したい奴が3人いる」というのが時代小説の名手の池波正太郎氏の口癖だったそうだ。おそらく池波氏は小説の中でそんな「奴」を見事に切りさばいていたのだろう。江戸時代なり明治時代なりに設定を変えれば、官吏の汚職や組織の腐敗、社会の矛盾を描き尽くして、しかるべき人物には天誅をくらわす。それが可能だからだ。私にも「殺したい奴」が一人や二人はいる。いや、いた。「いた。」と直したのは今しがた見た夢でそれが解消したからだ。夢とは本当に不思議なもので、どこでどういう仕組みになっているのか、人の深層心理は繋がっているのか?まあ、とにかく夢を通じて私はその人物を許した。若しくは和解した。その人物とはかつての職場の同僚だ。ご存知の方もいらっしゃると思うので今更隠さずに述べてしまうと私は首都圏のある女子高校の教員をしていた。そこでソフトテニス部の顧問をしていたのが例の「殺したいほど憎かった」相手である。女子高というのはある種異常な世界で1クラス40人の生徒が1学年10クラスで400人、それが3学年あるのだから10001200人規模の女子生徒を少数の女性教員とその他の男性教員が指導する。男性教員の7~8割は女子生徒と結婚するというのが伝統?となっている。非常にへんてこりんな、しかも閉じた世界である。そして無論、組織である以上そこには政治が存在し、生徒に人気がある教員の発言権や影響力が必然的に強くなる。この女子高という特異な環境で30年以上にわたり女子生徒の人気を一身に集めていたのが例のソフトテニス部の顧問であった。長身でお年は召していても男前な方であった。その方の牙城?を崩してしまったのが(私の自意識過剰かもしれないが)どうやら私だったらしい。勤め始めたころはいろいろと良くしてくださったのだが、1~2年くらいすると二人の立場が逆転してきたようだ。「ようだ」というのは、私は自分の仕事が面白くて夢中で他人にどう思われているかなど気にしている暇もなかったからだ。仕事が面白くて、懸命になればなるほど、生徒の側もそれに答えるし、それが好循環となっていたのだ。ただそうすることが、その方がこれまで築いてきた、また守り抜いてきた自信やプライドを大きく損ねていたことにまで気が回らなかった。もともと気が利く方でもない。結果、その方はどうしたかというと私の陰口をそこら中で言いふらすという行為に出た。要は村八分だ。そのとき初めて男の嫉妬というものを私は知った。同時に、笑って済ませられる噂話は別として、相手の耳に届く範囲での陰口は決してするまいと思った。むしろ当の本人にむかって本音を言ってやった方がどれだけましか知れない。人をほめる時は大きな声で、悪く言う時はもっと大きな声で本人に聞こえるよう直接言ってやるというのがベターだと私は思う。

 前置きは長くなったが先ほど見た夢の中でその方が出てきた。当時の勤め先の学校でその先生が校内を案内してくださった。これが生徒の書いたマンガだよとか、このポスターも生徒が書いたのだよとか、説明して回ってくださった。どういうわけか夢の中でその先生は片足を引きずっておられた。なんとなくこの先生はご自分の勤め先を愛しておいでだったのだなと感じた。その時何故だか解らないけど、その方に対する怒りが消えていた。

最後にアンケートのようなものをやっていってよ。と言われて目が覚めた。この話はだからどうだという落ちも脈絡もないのだが私自身の中で一応の区切りがついたという事で、ここに書き留めておこうと思う。また、もしこの文章を当時の関係者がお読みになられていたら、ご安心していただきたい。一体何を?(笑)。時間にしか解決できない事柄も世の中には確かに存在する。そしてできる事ならそうなることを未然に防ぐべきだ。話は大きくなるがテロや戦争も同じだ。未然に防げるならそれに越したことはない。その為にも行き過ぎた貧富の差や、差別・抑圧・貧困があってはならない。経済の安定は勿論、教育の機会も均等にしなければならない。その為の「政治」だと思う。先の例で言えば「人気」だってそうだ。その為に「人気の為の人気商売」であるアイドルが存在するのだと思う。話は飛びますが「嵐」の皆さんお疲れ様でした。あともう2年間、頑張ってください。よろしくお願いします。

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有難うございました。あと2年もうひと頑張りしてください!