原動力

 

任天堂クラシックファミコンを買った。早速、小学生の頃夢中になったスーパーマリオ3をやってみた。リアルタイムではラストステージには行けたものの、最後のボス・クッパ大王まではたどり着けなかった。大人になった今こそクッパを倒してやると意気込んで挑戦してみたが、如何せんクッパどころかファーストステージのボスすら倒せない。こんなはずではなかったのに・・・何が言いたいかというと、使わない能力は低下するという事。以前書いた神経衰弱(トランプのゲーム)の話と一緒だ。使わない能力は低下する。さて私は、そこそこ難関と言われる大学に現役で合格したが、極々客観的に見てその当時の能力が今は影も形も、ない。スーパーマリオと一緒だ。使わなければ落ちる。訓練に訓練を重ねて何とか大学には合格したものの、その当時の頭の回転の速さ、記憶力、同時進行で複数の物事を考える力、そして見直しを厭わない緻密さ、それらは今や欠片も、ない。当然というべきか、私は、仕事は、できない。社会人になって常々思うのは大学名なんか関係ない。学び続けるやつが強いのだという事。だったら、再び訓練しなおして一度は身につけた能力を取り戻せばいいじゃないか、スーパーマリオをまたやりこんだらいいじゃないか、という御意見もあるだろうが、如何せんその気になれない。失われてしまったのだ、情熱が。          

先程、「大学名なんか関係ない。学び続けられる奴が強いのだ」と述べたが、学び続けられる人にはその情熱があるのだろう。そう、情熱もしくは原動力と呼ばれるものだ。ではその原動力って何から生じるのだろうか。いわゆる夢か志か?それとも豊かさや勝利への執念か?そういうのは私にはいまいちピンとこない。なんだかどれもボヤっとしていて興味がない。では昔、私が抱いていた情熱はどこから来ていたのか?思うに子供の頃あんなに一生懸命になれたのは単純にそれが楽しかったからだ。スーパーマリオガンプラがサッカーがそして本がマンガが楽しくて楽しくて仕方なかったのだ。昔タモリさんが言っていた「俺なんて小学生の頃は明日何して遊ぼうかしか考えてなかったからね」そうなのだ、夢とか志とかそんな小難しいものではなくて「楽しい」が原動力だったのだ。「意志あるところに道は生ず。」ならぬ、「楽しみあるところに道は生ず。」なのだ。もちろん、つらい事、苦しいことがあるから、楽しみが活きてくるのだという人がいる。それは確かに一理あるが、比率が問題だ。9割つらくて1割楽しいよりは、1割つらくて9割楽しい方が、私はいい。何なら10割全部楽しくてもいい。楽しいに越したことないじゃないか!と思うのは私だけか?楽しいから一生懸命になれる。少なくとも私はそういう人間だ。極論するならつまらなく長生きするよりは楽しく早死にした方がいい。もちろん楽しく長生きできるに越したことはないが・・・と、ここまで考えてきて、果たして一般的に人生とは楽しいものなのだろうか?強がりでなく心の底から人生って楽しいと言える人は人口の何割くらいいるのだろうか?(世代間で差も出るだろうが)もしくは国別、人生楽しい度(熱中度)調査?をやってみたらどうなるのだろう?この場合、幸福度と楽しい度(熱中度)は似て非なるものだ。何故なら「熱中」もしくは「没頭」という概念が重きをなすからだ。また、「楽しい」の必要十分条件は何だろうか?家族なり、友人なり、恋人なり、周囲の人間関係が良好なこと、一生懸命になれる何か、夢中になれる何かがある事。この2つだろうか。「いや、基本的に人生なんて楽しくない。だからこそユーモアが必要なのだ」というニヒルな意見もあるだろう。・・・まあ、考え方は様々だろうが、最終的には次の言葉を借りて締めくくりたい。

「基本的に人生とは生きるに値するものだ」

宮崎駿氏の言葉だ。彼は「その思いを作品に込めている」と述べておられる。その言動の節々から一個人としての彼は、なんて頑固な爺さんだと辟易するが、クリエイターとしては、すごいなーと思わざるを得ない。いろいろな作品があっていろいろなメッセージがあってよいと思うが、彼の言う「生きる事って楽しいんだ」というメッセージが何よりも大切な気がする。今までの考察からすれば、それが生きる情熱・原動力そのものだからだ。昔、手塚治虫先生がおっしゃっていた「やはり、子供向けの作品が一番大事だ」と。初めて聞いた当時はなんだかわからなかったが今ならわかる。「生きる事って楽しい」というメッセージは子供にこそ必要なものだからだ。(無論、大人にだって必要だが)。漫画でも小説でもアニメでも映画でも、読んだ人、観た人が「明日が来るのが楽しみ」になるような作品だったら本当に素晴らしいと思う。

 話は戻りますが、この文章を読んでいただいている皆さんの原動力は何でしょうか?もしかして私と同じ?同じなら、皆さんが人生をいっそう楽しめるよう祈っています。ちなみに私自身はこのブログを綴っているときが一番楽しいです(笑)。

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