図書と見方と坊ちゃんと

 「有名な童話に『裸の王様』というのがある。あれは一見、王様や大臣の人目を気にするあまり騙されてしまう愚かさと、子供の他人に惑わされない無垢さをうたった話のようだが、そうではない。あの話の作者が本当に言いたかったのは、うまい口車で貰うもの貰ってさっさととんずらした二人の仕立て屋の賢明さである。世の中いろんな役回りの人間がいるが、できるなら僕もこの仕立て屋のようなスマートな人間になりたい。」

 これはちょっと昔にある中学生が書いた文章です。果たしてその中学生が彼の言うスマートな大人になれたか、又それが彼の本心だったか否かは解りませんが、なかなか面白いことを言うなと今でも思います。この文章を私が面白いと思うのは、普通見過ごしがちな仕立て屋に対して彼がユニークな”見方”をしているからです。このように一つの物事に対していろいろな”見方”ができるというのはとても重要なことだと私は思います。この”見方”がたくさん詰まっている場所が学校にもあります。それが図書室です。私が学生時代お世話になった先生が常々「早起きして私の授業を聞きに来るくらいなら、その分好きな漫画でも本でも読んでなさい。そこからいろんな物の見方を学んだほうがよっぽど君らのためになる。」とおっしゃっていました。良言です。この学校の図書室にもたくさんの本や漫画があり、いろいろな”見方”が詰まっています。生徒の皆さんは是非利用してみてください。(私もよく利用しています)今まで知らなかったいろんな”見方”が見つかるはずです。ちなみに最近の私は『坊ちゃん』の”見方?味方?”です。ピンときた方はどうぞにこりと笑ってやってください。ピンとこない方は図書室へ!彼のスマートでないところが私は結構気に入っているのです。どうです、なかなかスマートなオチでしょう?

(なお『裸の王様』はアンデルセンの作です。)